昭和63年度 研究報告 大分県工業試験場
セラミックスの加工技術とその利用に関する研究
機械部機械科 大 塚 裕 俊
後 藤 幸 臣
行い、セラミックス仮焼材の切削性についてJ ウ考誓 を試みた
。
1.はじめに
ファインセラミックスをはじめとする各軽新素材
には硬脆材料に属するものが多いが、従来の金属材
料とは異なったこれらの材料に対する加工技術はいまだ充分に確立きれていない。
セラミックスの切削加工は牛材を対象として行わ
れることが多いが、強度グ)低さや取扱車の困難さ、
加工能率の悪さ等問題が多い。
そこである程度の熱処理を施したセラミックスの
板原村を被削材として加⊥する方法が近年広まりつ
つある。
今巨=ま、ニのセラミックスけ仮焼材凝削加r 二に焦
真を絞り、各種工員による種々の条件Fでの実験を
2.実験の方法
(1)実験機器
旋盤:昌運工作所ガスヌーブ旋盤Ⅰ‡B500型 無段変速
(2)切削試験
切削材:窒化珪素炭化珪素(Si 3Ni Si C)
複合焼結体1000コC仮焼体
C35mmX15〔hm 使用工貝:工異材の成分と機械的性質を表1にホ
プ c
表1工具材の成分と機械的性質
※ ′ ヌーブ硬さ
表2 切削条件
切削条件:表2に詳細を示す。(3)測定項目
試験開始初期烏⊥二作物1r Ⅲ1(切削長約150mm)ご
とに、それ以降は適′
圭∫
1二判断してチップをホルダから
はずし、丁貝顕微鏡ですくい面、逃げ而の摩耗幅の
測定、写真撮影を行った。また表面印さ計にて⊥作
物レ)表面粗さを測定した。逃げ面の最大摩禾毛帖が0.2
Ⅰれmを越えた時.キで寿命と判断し実験を打ち切った。
旋削、外丸削り、乾式
切削形熊
一6J ,−6一,6く,6ニヲ15へ,汀,0.Hmm 工員形式
工具寸法 12.7:く12.7:く4,76mm
170,100(セラミクス伍)ゾ〕み)111′ ′ ′ mi n
切削速度
0.1mmノ′′l  ̄eV 一ズヒ
送 リ
′∫ 0」うmm 一気三
1
Hl l R33(20mm角、特別仕様:}、突よ」し/長さ20I i l m
昭和63年度 研究報告 大分県工業書式等爽場
3.実験結果と考察 ッヒニ ケも毘ト〕れ)まい。
t l j !二見バ損傷形態 サ山メット、17触1/1血1でも童界賓耗が現j Lてお
園1に各チップて心坑削精しプ:)vi 二具損長引犬態を示 り、チッヒンゲが少し見られる。逃げ而に奪養毛とは す。焼結C‡うN、ユ7(如/′ ′ //ⅠⅥi i l では前逃げ酢こ境界摩耗 違うが変色部が見られる。二者とも相磯化性に弱い
が大きく覗かており、すくい面こノ〕撃葦毛は少ない。チ と考えられる。
焼結C臼N
4分32秒後 6分45秒後 2分19秒後
1分10秒後
サーメット
0.5mm
L 」
4分06秒後
2分(捗秒後
1分(14秒後
焼結ダイヤモンド
:う分二う3秒後
7分51秒後 16分t )7秒後
1分14秒後
昭和63年度 研究報告 大分県工業喜式験場
焼結ダイヤモンドは、逃げ面、すくい面ともに非
常に摩耗が少なく境界摩養毛も見られない。耐摩寿毛性、
耐酸化性、耐拡散性に優れた性能を示している。被 削材の量の関係から実験は途中で打ち切った。
セラミックス伍)、170nl /mi nにおいても境界摩弄毛
は全く見られないが、す′ くしゝ面にチッビングが少し
見られる。
セラミックス(1う)、17りm/nl i I l では、セラミックス (A)、170m/血nと良く似た損傷形態を示した。
セラミックス伍)、1り()m/血i I l では、同じセラミッ
セラミックス(A)
53秒後
セラミックス(B)
1分43秒後 3分08秒後 5分53秒後
0.5mm
し 」
1分12秒後
セラミックス(A)川Onl /nl i r l
2分21秒後
1分53秒後 3分45秒後 区=.2
7分35秒後 工具婁員傷状態
昭和63年度 研究報告 大分県工業喜式験j 易
行状態を示しており、いずれも4分程度で寿命に達
? J, しノ/、○
セラミックス(A)、170111/mhでは、前三者に比較 していく分寿命は延びるが、それでも14分後には寿 命に達した。
焼結ダイヤモンドは非常に摩耗進行が遅く16分経 過後も0.05mm程度で他に比較して抜群の性能を示し
ナ, /し▼ ⊂
(3)切削仕上げ面粗さ
図3に切削仕上げ面粗さ経過曲線を、図4にはそ の断面曲線を示す。
クスしノ1)、i 70111/′ 111i nと同じような損傷形態を示す
が、切削速度が遅いだけ損傷量は少ない。
セラミックスでは耐衝撃性に難があると考えられ
る二
(2)工具摩耗進行曲線
園2に逃げ面最大摩耗幅の進行曲線を示す。 最大摩耗幅が0▲2mmを越えた時点で実験は打ち切 った。
セラミックス田)、170nl //nl hでは、切削時間1分 経過後には早くも0.2mmを超過して寿命に達した。
サーメットと焼結CBNが非常に良く似た摩耗進
逃げ面最大摩耗幅
V
B
m
1n2 川3
101
H寺 間 (SEC)
ロトヒラミクス漬l +セラミク1(B)◇サーメット△C王うN XDI A ▽セ∵ラミクス(八州0())
図2 各種工具の摩耗量の変化
(被削材:窒化珪素仮廃材1000DC)
20 0
18.()
16.り
14.()
12.()
1().0
\ ■ i
6.(J
∠圭.0
表面粗
き
押
† が
1(j ∠ 1()1
時 間 (Sl てC)
ロセラミクス汰 +セラミク:引Ⅰミ)◇ サールメット△ C王ミN X川A ▽ セラミクスい)(川(=
昭和63年度 研究睾琵告 大分県二こ業喜式琴湊場
切削速度ニ170r n′ ′ /i ¶ i i l 送り:0.1I nm/′ REV切込み:0_5mm
工具材 率 i 分後 4分後 15分後
タテ
セラミックス (Aヨ203Ti c)× 100わ (Å祉)× 完コ 轡轡粛臍騨幣 酔毎轡㍍ u
切削速度:100nl ノ′ /nl i n 送り:0.t mm′ ′ REV 切込みこ〔).5m汀王
昭和63年度 研究率巨告 太分県工業芸式験j 老
切削仕上げ面粗さには、切削初期においても6
掛mから1触n戒nl aXまで、チップ材種により差が見 ら変L、各々においても寧耗の進行とともに仕上げ面
粗さも悪化する傾向が見られるが、刃先の損傷形態 との関連性は見られない。
焼結ダイヤモンドチップでは、初期において仕上
げ南柏さは良好だが、琴耗の進行が非常に遅いにも かかわらず、仕上げ面粗さの悪化が早く17分経過後
には、寿命に達した他のチップの仕上げ面粗さと同
程度になっている。
仕上げ面の断面曲線については、チップの種類に よる差異は見られないが、焼結性の材料のためか切 削初期においてもはっきりした送りピッチは見られ ず乱れたピッチマークを示している。
針∴ま と め
以上、窒化珪素のセラミックス仮焼体の旋削加工 を種々の工具によって行った結果以下のようなこと
が確認できた。
用 サーメット、焼結CB討ともに境界摩耗が見られ 170mm/nl i 王1の切削速度では寿命が短く切削に耐
えられず、このセラミックス仮焼体に対してはさ
ほど有効でない。
(2J セラミックス工具はチッビングによる損傷が見 られ、耐衝撃性に劣ると考えられるが、同じセラ
ミックスしA)でも切削速度を用地町/nl 喜nに綬和し
てこの弱点を補えば∴工具寿命も大幅に延びる。
このことは他のチップにおいても同じと推測され
勺○
(3)焼結ダイヤモンドはこのセラミックス仮焼体に
対して、他の工具に比し全ての点で極めてすぐれ
た切削性能を示し、切削速度170mm/mi n以上で充
分に使用に耐えられる。
(4)切削仕上げ面粗さは、工員摩耗の進行と共に悪
化する傾向があるが、刃先の損傷形態との関連は 見られず、工具の種類による断面形状の差異も認
められない。
5.おわりに
本研究は通産省の地域技術交流研究制度の→環と
して九州工業技術試験所との共同研究として行われ たものであり、当工試の結果のみ報告した。各県工 試による他のセラミックス仮焼体の試験結果ととも